バッグのハンドル修理

Posted by LeatherCraft.jp (2016/01/27)

長年愛用されているバッグが壊れてしまい修理に持ち込まれました。
パーツを複製して再び使える状態に修繕。
作業工程をご紹介しますので、バッグの製作等にお役立てください。

1.

ハンドルの付け根の革が破れてしまい、ハンドルが今にも外れそうになっていました。
胴マチの上部を部分的にほどいて、破損しているパーツを外し分解してみると、金属パーツを中心に外側に向かって、裏革パーツ→芯材→表革パーツという多重構造になっていました。
あとでパーツの構成が分からなくなるといけないので、復元する時の順番をしっかりメモしておきます。

2.

金属パーツが長年の使用で金属疲労を起こし切れてしまっています。
同じような物を複製して交換する必要がありそうです。

3.

修理のために取り外したパーツは胴マチ上部に縫製され、さらに鉄枠にネジ留めされていました。
胴マチの芯材も古くなっているので縫製には神経を使いそうです。

4.

まず、金属パーツを複製します。
破損したパーツを採寸して型紙を作り、厚さ0.5mmのスチール板にトレースします。
型紙通りに成形していきます。
長方形の穴は、ドリルで複数穴をあけたあと、ヤスリで形を整えていきます。

5.

オリジナルパーツを参考にしながら、金属パーツを折り曲げていきます。
素材が波打ってしまったら、金床にのせて木槌でたたくと平らになります。
カーブの部分は、丸い鉄製の芯棒にあてて木槌で少しずつたたいて形を整えます。

6.

実際にタルカンを通してカーブの具合を確認します。

7.

裏革パーツ、芯材、表革パーツも、それぞれ採寸して複製します。

8.

オリジナルと同様にパーツを重ねて貼り合わせ、サイズ、穴の位置、金属パーツの収まり具合を確認します。

9.

弱った素材を傷めないためにも、オリジナルと同じ穴に縫い糸を通す必要があるため、縫製穴もオリジナルパーツからトレースして事前にあけておきます。
この時点で、コバを一度仕上げておきます。

10.

タルカンを包んで革を折り曲げ貼り合わせます。

11.

貼り合わせた部分のコバ面をもう一度仕上げます。
タルカンは汚したり、傷つけたりしないようマスキングしておきます。

12.

ミシンがかけられない部位なので、手縫いで複製パーツを縫いつけます。
すでに開いている縫製穴を再利用して、素材を傷めないように注意しながらひとめひとめ縫っていきます。

13.

最後にネジで鉄枠にしっかりと留め、ほどいた胴マチを元通りに閉じてミシンがけをしたら完成です。
これからも、末永く愛用していただけるといいですね。

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