備前焼「勝北陶芸の里」をご紹介します
- 勝北陶芸の里 -
勝北陶芸の里
〒708-1215
岡山県津山市杉宮708
開館時間:13:00 から18:00 まで
(土・日曜日・祝日は9:00 から18:00)
休館日:月・火曜日
(祝日の場合は開館)、年末年始
駐車場:乗用車30 台(無料)
電話 0868-29-4010
体験ご希望の方は、電話にて事前に問い合わせください。
-指導者プロフィール -
備前焼作家 花岡 勉
昭和39 年 岡山県倉敷市生まれ。
平成7年 備洲窯にて修業。岡山県無形文化財保持者 山本雄一
先生の指導を受ける。
平成10 年 勝北陶芸の里の陶雄窯で雄杉焼の指導にあたる。
平成12 年 ビアマグランカイ3入選、県展入選
平成13 年 県展入選、嵯峨御流第9回「花の陶展」入選
平成18 年 県展入選
平成19 年 県展入選
平成22 年 県展入賞
平成24 年 県展入選
岡山県津山市の東部の丘陵地に平成8年11 月オープンした「勝北陶芸の里」。中世の窯跡「甲田池窯跡」に位置し、古くから陶芸に適した土が豊富に出土していた。 陶芸教室では、ろくろを使った陶芸に挑戦できる。 備前焼で岡山県の重要無形文化財保持者である山本雄一先生の門下生、花岡勉氏が作品作りを指導する。
- インタビュー -
備前焼作家 花岡勉さんにインタビューしました。
- 県下最大級のりっぱな登り窯をお持ちであると聞いておりますが、
こちらの施設についてもっと詳しく教えていただけますでしょうか? -
岡山県の「県境町村等振興事業」の指定を受けて、平成8年11 月にオープンしました。
岡山県重要無形文化財保持者の備前焼作家・山本雄一先生を指導者に迎えました。
現在は、山本先生に師事した私(花岡勉)が指導を行っています。
建設した県下最大級の登り窯を「陶雄窯」、作品を「雄ゆうさんやき杉焼」と命名し、津山市民や県内外の陶芸愛好家が多く訪れ、技術向上の場となっています。
電気釜:
2 ヶ月に1回、火入れを行います。1215℃で56
時間かけ、焼き上げます。湯飲みであれば、一度に
420 個程度、焼くことが出来ます。
登り窯:
5 月と10 月の年2回、火入れを行います。約8メー
トルの窯内部には、約1000 点の作品を一度に入
れる事が出来ます。1 ヶ月前から窯詰めを行い、赤
松の薪を使って1110℃を保ちながら12 日間、焚
き続けます。その後、1週間かけて冷まし、窯開き
の日には、毎回50 人ぐらいが訪れます。登り窯で
は、土や炎の温度、・焼き方などでさまざまな紋様
=窯ようへん変が生まれます。
設 備:
電動ろくろ13 台、手回しろくろ43 台
一度に約40 人の方の体験が出来ます。学校や会社の団体の方も多く訪れます。
体験する場合は、予約を入れてからお越し下さい。
展示された作品の数々、電動ろくろを使って作品に取り組む風景
- 多くの方がこちらで陶芸を体験されているんですね。
どんなコースがあるのか、体験メニューを詳しく教えていただけますか? -
600g で、湯飲みが2 つ制作できます。制作時間は約2時間~です。
焼き上げサイクル:電気釜は2 ヶ月に1度、登り窯は5 月と10 月の年2 回です。
制作された作品は、焼き上げがおわってから、後日ご自宅へ発送します。(送料は別途)
コーヒーカップ、湯飲み、とっくり、お皿、ぐい飲み、花瓶、急須、ランプシェイド、オブジェなど、作品は自由に作ってください。
- 体験メニューでの制作方法を実際に見せていただけますか? -
約2時間で出来るコーヒーカップと皿の制作体験について説明します。
材料の粘土600gと、粘土を整形するのに使う手回しのロクロを用意し、おけに水を入れておきます。
粘土は手で触ると非常に乾きやすいので、常に手を湿らせながら作業していきます。
※ これらは、こちらの施設で用意します。
コーヒーカップの作り方
▼600g の粘土を2 つに分けて、空気を抜くように手で丸め、「ろくろ」の真ん中に粘土を置きます。
空気が入らないようにしっかりと丸めます。
しっかりとロクロに押さえつけるようにします。
中心を意識しながら底の大きさを決めていきます。
▼形を作っていきます。
真ん中を押さえて外側に広がらないように、土を中へ寄せるようにして、少しずつつまんでいきます。
親指で底の角が出るようにして、広がらないように真っ直ぐにフチを作っていきます。
飲み口が薄くなりやすいけど、口元が薄いと欠けやすいので、ボリュームがあるくらいの方がいいでしょう。
形を作るのは十分にフチの高さが出てから行って下さい。
ポイント
一度にやらずに、少しずつ同じ所を何度も触る程度で、細かく土を動かすのがポイントです。
焼くと2 割ぐらい縮むので、少し大きめに作ります。
▼底の厚みを確認します。
針をコップの底の部分に挿して厚みを測り、底の厚さが5ミリ~7ミリぐらいになるように確認しながら進めます。
ポイント
針の先端に指を当て、底を針で貫通させます。指と針の先で厚みが分かります。
▼ハリを使って飲み口を切り揃えます。
コップの口が当たる部分は、波打ってると呑みづらいので真っ直ぐに切り揃えます。
針をしっかり短く持って固定しておき、軽くラインをつけるようにしながらゆっくりとロクロを回します。
針は、切ろうとすると土にもっていかれてしまい、同じ所にハリがいかなくなります。
口の部分を整えます。
なめし革を水に漬けて、軽く絞ってから、指で挟んでフチに軽く当てて、ロクロを回し、きれいにします。
▼余分な粘土を取り除きます。
サイン棒を使って、余分な粘土を切り取ります。
底の部分に沿って、サイン棒を同じ位置に固定してロクロを回し粘土を切り取ります。
▼取っ手部分を制作します。
手の温度や板に水分が移って粘土が乾くので、時々手に水を付けて湿らせながら作業します。
水分が足りないと、曲げたときにひびが入ることがあります。
均等なヒモが出来るように、調整します。
針を使って斜めに切ります。
同じ方向に10 センチほどの長さにカットします。
丸めて取っ手部分の形を作ります。
▼取っ手部分を取り付けます。
水を付けた歯ブラシでカップの接合部分に、はみ出るぐらい大きめに、傷を付けます。
取っ手を貼り付けよく押さえます。
サイン棒で、カップ側から土を接合部分に付けて、押さえます。
▼ロクロから取り外します。
切り糸を張った状態で、ゆっくりとロクロと作品の間に糸を入れ、作品を切り離します。
底の部分を手で軽くならし整え、完成です。
お皿の作り方
▼残りの粘土を使って、お皿を制作します。
底の幅の広い物を作るときは、粘土の下に新聞を敷きます。
粘土を中心から叩いて、伸ばします。新聞は水分が吸うと、破れたりくっつくので新しい物と替えながら行います。
土を寄せるような感じで締めながら、お皿の端を持ち上げます。
あまり摘むと指の跡が付くので注意してください。
サイン棒の後ろの押し型を使って、花びらなどの形で模様を入れます。
出来た作品には、イニシャルやサインなどを入れて、自分のものが分かるようにしてください。
※体験で作った作品は、後日、窯で焼き上げてもらい、自宅まで送ってもらえます。
- ありがとうございました。 -