創作和紙製作の樫西和紙工房をご紹介します
- 樫西和紙工房 -
樫西和紙工房
〒719-3211
岡山県真庭市樫西1689-1
営業時間午前8時半~ 16時半
電話・FAX 0867-42-4874
休日 日・祭日他(来訪前に電話ください)
きれいな水が流れる山生川のそばに建つ工房で、染色・デザイン 担当の星野詩穂さん、組合長の小川秀雄さんにお話を伺いました。
樫西和紙はいつ頃から始まったんですか?
星野さん: 古くは欽明天皇時代(555年)に白猪屯倉(しら いのみやけ)が置かれ、住民の戸籍や田籍を作るの に紙が作られ始めたと言われています。 岡山県真庭市久世地域では、昔からミツマタ栽培が 盛んで昭和61年12月に地域活性化の一環として、 真庭市樫西に手漉き和紙加工工場を設立(岡山県地 域振興事業交付金事業)し、樫西和紙組合を作りま した。
古い歴史があるんですね。
特徴は何ですか?
星野さん: 平成14 年頃から和紙に絵を描いたように染める創作 染和紙の製作に取り組んでいます。 完成まで3年かかりました。創作和紙は漉いて、濡 れている状態で染めるのでにじみが強く、物の形を 鮮明に表現することが難しく、現在でも試行錯誤の 連続です。 最近では、贈答用の箱のパッケージとしても使われ ています。
工房の中を見せて下さい。
星野さん: ▼これは手漉きに使う道具「桁」です。ハガキや名刺など、サイズに応じて道具を変えて漉きます。
星野さん: ▼これは「ビーター」です。原料と水を入れて、 回転刃で原料の繊維を良くほぐしてドロドロし た水溶性の状態にします。
星野さん: 原料の繊維は夏場の暑い時期は傷みやすいので、 寒い時期の方が良い紙ができます。水の温度が冷たくないと糊がきかないので、水が冷たい冬の時期の方がときれいな紙を漉くことができます。
作業風景を見せて下さい。
小川さん: ▼手漉きの工程です。漉槽(すきそう)に水を張り、紙材せんいとトロロアオイから抽出したネリ剤を加えて、良く かき混ぜるとネリの作用で繊維が均一に分散し沈まなくなった紙料水ができあがります。 この紙料水を枠に竹すを張った簾桁(すけた)で手前からすくいとり桁(けた)を水平に保ちながら前後左右にゆす り繊維を均一に簾(す)にからませます。水は徐々に簾(す)の目から抜け繊維だけが薄い層となって残ります。
小川さん: ▼簾に層となって残った湿紙を紙床台へ引き離しながら積み重ねていきます。
小川さん: 1 日の作業でできた紙床に重しを乗せ軽く脱水して、その後ジャッキにより本格的脱水を行います。 最初は軽く圧力をかけ次第に力を加えていきます。 急に圧力をかけると紙床がつぶれるので、手動ジャッキを使って手加減しながら慎重に作業を行います。