リザードウォレット

Posted by 安田泰雅 (2014/07/21)

リザード革を使った財布です。薄さと使いやすさにこだわりました。至る所に曲線を使っているのも特徴の1つです。

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リザードのインレイに挑戦しました。インレイといえば、今まではぶ厚くなる印象を持っていましたが、リザード革の部分は約1.6ミリです。リザード革は小さいため、2枚使わないと難しいです。

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インレイ部分の革を一回り小さくしたため、一番外側のコバは革2枚分の厚さで済んでいます。

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この部分の革は型くずれ防止の効果があります。ある場合と無い場合で見た目の良さが大きく変わります。

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一番外側の革を裁断する際には上の型ではなく下の型2枚を使います。上の型の場合は、革に型を移す際にずれる可能性が高いです。

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右側に小銭入れ、左側にカード入れを設置しています。必ず両方とも3ミリは外装より内側に寄せます。ポケットに入れた時の入れやすさが変わります。この形にした場合特有の問題点ですが、小銭入れの縫い目がカードに引っかかるので小銭入れの方が3ミリ内側によっています。

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小銭入れは取り出しやすいようにするために、ファスナーを開けた際に深さが左右ともに浅くなるようにしています。ポケットに入れた際には横に広がりやすくした結果、他の人の作品には見られないような曲がった形になっています。

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小銭入れと札入れの間の縫い合わせは「く」の字に縫い合わせています。この方が小銭入れが開きやすいからです。各パーツに位置合わせ用の穴を開けてずれないようにしています。カード入れにも同じ事を行っています。

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カード入れは、写真を見て奥側の横幅を小さく、手前側の横幅を大きくしています。ズボンのポケットに入れやすくするためと、カードを取り出しやすくするためです。裏側にたくさん押し込めるカード入れがありますが、これは非常に便利です。

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カード入れの型の1部分ですが、横側を折り返す方法をとりました。しかし、カードによっては横幅よりも奥行きの方が必要な感じなので、次回作る際には奥側を折り返す形にしようと考えています。

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札入れですが、両端の切り込みがあるために札入れが非常に開きやすくなっています。個人的にはもうちょっとだけ切り込みが浅い方が良かったかもしれませんが、人によって意見が変わるところかもしれません。仕切り付きなので1万円札だけ分けたり、領収書入れとして使ったりできます。

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作品をぱっと見て、作った人は見た目優先だと思った方がいるかもしれませんが、僕は常に使いやすさや壊れにくさを優先しています。形を四角ではなく丸くする理由は、真っ先に痛むのは角だという考えからです。見た目の優先度は低いですが、ある程度はこだわっています。曲線を描く際は適当にフリーハンドで描いている訳ではなく、貴金属比を使用しています。貴金属比は見た目がきれいに見える比率の事です。貴金属比を使用しなかった場合は見た目が悪くなります。

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