ひのき草木染織工房&ギャラリーをご紹介します

- ひのき草木染織工房&ギャラリー -

ひのき草木染織工房&ギャラリー

〒717-0013
岡山県真庭市勝山193
10:00 から18:00(冬期17:00)
水曜定休日
電話 0867-44-2013
studiohinoki@gmail.com



- 加納容子さんプロフィール -

<ギャラリーを案内してくれた加納容子さん>

女子美術短期大学卒後、ひのき草木染織工房にて染織家として活動。
「勝山文化往来館ひしお」館長を務める。
文化的活動を中心にしたまちづくりを進めている。




関連:ひのき草木染織工房

岡山県真庭市の勝山町並み保存地区と新町商店街で3月に行われる「勝山お雛まつり」。 約160軒の民家や商家の軒先には、さまざまなお雛様が展示され、期間中は約3万5千人の観光客が訪れる。


そんな情緒ある町並みの中に「ひのき草木染織工房&ギャラリー」がある。 約16 年前まで酒屋を営んでいた建物は1764 年に建てられ、それ以降長い年月を経て今に至る。 染織家 加納容子さんの生家だ。


数多くの作品が並ぶギャラリー。

- インタビュー -

染織家 加納容子さんにインタビューしました。

- こちらのお店について教えていただけますか? -

こちらには工房とギャラリーがあります。
工房では、草木染め、ベンガラ染め、泥染めの方法で、コースター、テーブルセンター、マフラー、ストール、手ぬぐいなどを染色しています。
ギャラリーでは作品の展示・販売の他に、定期的に個展なども開いています。
約20 人の作家さんの作品も合わせて展示しています。

最初はハンカチを染めることから始まりました。
その後、マフラーなどを制作するようになり、その一つとしてのれんも制作するようになりました。

- 染色の工程を見せていただけますか? -

ひのきの皮や栗、コーヒー、ザクロ、タマネギの皮、梅など自然にあるものを使って染めるのが草木染めの特徴です。


染色に使う材料(タマネギやヒノキの皮)。
染色に使うベンガラ。

絹や蚕では問題ありませんが、タンパク質を持っていない麻や木綿は動物性タンパク質をつけないと染まりが悪いので、畑のお肉と呼ばれる大豆から作られた豆乳に漬けてから、染め工程に入ります。
沸騰するお湯に、草木などの染色材料を入れて、約20 分間程煮立たせます。
お湯に草木の色が出たら、布を入れて、布を染めていきます。
染めたくない部分に板で挟んで染める「板締め」や、輪ゴムで縛って染める「絞り」などの技法を使って染めることで、色々な色の変化や模様をつけることができます。
この工程を何度も繰り返して、色を付けていきます。

- 染色に使う水は冷たくないですか? -

昔、造り酒屋だったので井戸があり、年間を通じて約15 度になっています。

- こちらのお店はどんな方がいらっしゃいますか? -

蒜山高原や湯原温泉に観光で来られた方が、のれんの町並みを見に来られます。
ギャラリーでは、製品の販売の他に、定期的に個展も開いています。2度、3度と訪れるリピーターも多いんですよ。


- 今後は取り組みはどのようにお考えですか? -

昨年は、表の通りで「勝山クラフト市」を初めて開催しました。
将来は、勝山に手仕事にこだわる作家や職人の方が増え、大人から子どもまで楽しめる町になればいいですね。
のれんを使った官民一体の「まち作り」の取り組みは、遠方からの視察も多く、先日は東北からもこられました。
地元の中学校や高校の生徒も、イベントなどでは手伝ってくれています。

- 勝山の町並みには「のれん」がどの家にもありますよね? -

全てこちらで作った作品です。
もともと自分のお店にのれんを掛けたのが始まりでしたが、近くの家からも光がまぶしいから作って欲しいと頼まれ、徐々に通りにのれんが増えていきました。


- 「のれん」は色々な種類があるんですか? -

生地を縫ってのれんの形にしてから、色々なデザインで染めています。
オーダーメードの「のれん」は全国から注文を受けていて、現在注文を受けても完成するのは約半年先なんです。
カタログはありませんが、これまで制作した作品の一部を写真で約600点用意していますので、店舗で見ていただくことが出来ます。
写真を参考にしていただいてもいいですが、なるべくお客様のイメージに合わせて、オリジナルで描いています。
お客様との打ち合わせでは、染めの技法によって可能なデザインかどうかを思い浮かべながらデザインの相談をさせていただいています。
染めの工程は、色や模様ごとに何回も行っています。

- 染め方の技術などは、一般にも教えているんですか? -

近くにある真庭市立勝山小学校の3年生に2006年頃から毎年、授業としてタマネギ、栗のイガ、ひのきを使ったハンカチの染色を教えています。
また、文化往来館ひしおで、約5年前から毎年、藍染め教室を開いています。
毎回5人から10 人ほどの参加者が、自分の好きなものやハンカチ、T シャツを染めています。





こちらの工房で作られた「のれん」がならぶ勝山の町並はとても印象的でした。

- ありがとうございました。 -



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